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猫好き研究者の日々雑感

オバマ大統領の軌跡【第1期(2009年~2013年)】

来年1月までのオバマ大統領の任期が残り半年を切りました。

今回は、2009年1月20日に第44代大統領に就任したバラク・オバマが歩んできた軌跡を振り返ってみたいと思います。

まずは、2009年1月20日から2013年1月19日までの第1期オバマ政権について、国際政治に影響を与えた主な出来事を中心に時系列順に見ていきたいと思います。

 

2008年

 11月 4日  ジョン・マケイン共和党候補に勝利し大統領選挙で当選

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2009年

  1月20日  大統領就任式(初のアフリカ系アメリカ人として)

  1月22日  グアンタナモ基地内の捕虜収容所の閉鎖に関する大統領令に署名

  2月17日  7870億ドルの景気刺激法案に署名 

  2月27日  イラク駐留米軍の撤退計画発表

  4月  5日  プラハ演説で核兵器廃絶を訴える

  5月26日  ヒスパニック系初の最高裁裁判官を指名

  6月  1日     GM再建支援を表明

  7月  6日     メドベージェフ露大統領と会談し戦略核弾頭の大幅削減に合意

  9月  9日  上下両院合同会議で国民皆保険を目指す医療保険改革の実現を訴え

10月  9日     ノーベル平和賞受賞(授賞式は12月10日)

11月14日     大統領就任後初のアジア歴訪。最初の訪問国として来日

12月  1日  アフガニスタン駐留米軍の増派と翌年の撤退計画を発表

 

2010年

  3月23日     医療保険改革(オバマケア)法案に署名

  7月21日     金融機関の規制改革法成立

11月  2日     中間選挙で民主党が歴史的大敗を喫して過半数割れ

11月12日  APEC首脳会合のために大統領として2度目の来日

 

2011年  

  2月  2日 米ロ間で核弾頭数の削減に合意した新START条約に署名

  3月19日 リビアのカダフィ政権に対する空爆の開始を指示

  5月  2日  オサマビン・ラディン容疑者を米軍が殺害したことを発表

  6月22日 2012年夏までにアフガンから33000人の米軍を撤退させることを発表

  8月  2日  債務上限引上法に署名

  8月18日 シリアのアサド大統領に対し退陣を要求

10月20日 リビアのカダフィ大佐が殺害されたことを発表

10月21日 年末までにイラクからほぼすべての米軍を撤退させる計画を発表

11月18日 ヒラリー国務長官の50年以上ぶりとなるミャンマー訪問を発表

11月28日 ホワイトハウスにおいてEU首脳らと欧州の債務危機について議論

12月12日 イラクのマリキ首相とホワイトハウスで会談

12月14日 フォート・ブラッグ陸軍基地においてイラク戦争の終結を宣言

 

2012年

  2月  6日 イランへの新たな経済制裁を決めた大統領令に署名

  2月14日 習近平国家副主席と両国関係や人権問題につきホワイトハウスで会談

  2月23日 NATO軍によるコーラン焼却についてアフガンのカルザイ大統領に謝罪

  3月25日 北朝鮮との国境にある非武装地帯を訪問。ソウルで開催された核セキュリティサミットに出席。

  3月26日 核セキュリティや核不拡散問題について中ロの首脳らと個別に会談

  4月30日 野田総理を迎えて会談

  5月  1日 アフガニスタンを電撃訪問

  5月  9日 同性婚に対する支持を表明

  5月18日 アフガンに駐留する仏軍の撤退についてオランド大統領と会談。キャンプ・デービッドでG8サミットを開催

  6月  8日 フィリピンのアキノ大統領とアジア太平洋地域の安全保障問題について会談

  7月27日 米イスラエル安全保障協力強化法案に署名

11月  6日  ミット・ロムニー共和党候補に勝利し大統領再選

11月19日 アジア外遊でミャンマーを訪れアウン・サン・スーチー氏と会談

12月30日 外国情報監視法を5年延長する法案に署名

 

2013年

  1月  2日 2013年の国防授権法に署名

  1月11日 アフガンからの米軍撤退に関しカルザイ大統領とホワイトハウスで共同記者会見

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2013年

  1月20日 第2期の大統領就任宣誓式典

 

こうして見ると、第1期のオバマ政権はロシアとの間などで核兵器を減らす取り組みを続けつつ、一方ではイラク・アフガニスタンの戦線やシリア・リビアを始めとする中東の安全保障問題に苦慮し続けてきたことが分かりますね。

文系博士課程・研究者のシビアな現実

かつて言われた「末は博士か大臣か」というのも今は昔。現在の日本では特に文系分野において、博士号取得者が活躍できる場が限られているという現状があります。

一方で、今年4月に新小学一年生を対象として行われた将来なりたい職業調査では研究者が6位とかなり上位に入っています。多くの場合は白衣を着た自然科学系の研究者がイメージされているのではないかと思いますが、無論そうした研究者像には文系の学者・研究者も一定程度含まれていると思います。

そこで、今回は社会科学分野の博士課程に進み研究者として生きて行こうとする上での、シビアな現実について取り上げてみたいと思います。

将来的に社会科学の学者・研究者を生業として生きていこうと考えた場合、そこに至るまでのコスト・リスクと天秤にかけた時に果たして経済的なインセンティブがどの程度あるのかという現実的な観点から考えてみます

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アメリカ国内政治を動かす民主党と共和党の派閥一覧

今年は4年に一度、アメリカで大統領選挙が行われる年です。

今回のアメリカ大統領選挙では民主党でヒラリー・クリントンが、野党共和党ではドナルド・トランプが大統領候補者に指名され、両者の間で11月の本選挙に向けた激しい攻防が続いています。

ニュースでもよく耳にするとおり、これまでの大統領選挙との大きな違いは、共和党で指名されたトランプ氏をめぐって共和党内に大きな亀裂が生じた状態にあることでしょう。その背景には、共和党の内部でも様々な立場が存在することが挙げられます。

アメリカというと民主党と共和党の2大政党制が根付いていて大統領もいずれかから選ばれているという印象があります。しかし実際には、民主党と共和党のそれぞれにおいて様々な異なる立場があり、それらが複雑に絡み合ってアメリカの政治は動いています。

今回は、アメリカの2大政党の中にある様々な政治的立場について見ていきたいと思います

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地球儀500年の歴史

地球儀は転がしているだけで世界の様々な国に思いをはせることができます。地図よりも国の大きさや距離が分かりやすく、地球儀を回していろいろな角度から眺めると世界を毎回違った表情で見ることができます。 
今では当たり前のように家庭や学校に置かれている地球儀ですが、いつから現在のような形となり世界に広がってきたのでしょうか?

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地球儀の起源

世界で初めての地球儀は、紀元前3世紀ごろにギリシャの天文学者によって作られたと考えられています。

その時代のものの一つが、現在のトルコ南部にあたるキリキアという地域のマロスのクラテスというギリシャ文法学者が紀元前2世紀ごろに作成した地球儀と言われています。

 

現存する世界最古の地球儀

現存する最古の地球儀は、15世紀のものです。1491年から1493年の間にドイツの古都ニュルンベルグで商人であり地図職人でもあったマルティン・ベハイムが作成した地球儀「erdapfel (earth apple)」が最古のものと言われています。

現在はニュルンベルグのゲルマン国立博物館(Germanisches Nationalmuseum)に所蔵されており、近年になって地球儀のデジタル画像が作成されました。当時の地図に基づいて作られたため、まだ発見されていなかった南北アメリカ大陸は描かれておらず(コロンブスが新大陸の端にあるサン・サルバドル島に到達したのが1492年)、その代わりに東の果てに大きなジパング(日本)が描かれています。

その後、新大陸が描かれた最古の地球儀は、1504年に製作されたと考えられているものです。ダチョウの卵の下半分を2つつないで作られたもので、2012年に発見されました。

また、1507年にはドイツの地理学者であるマルティン・ヴァルトゼーミュラーが初めてアメリカと表記された地球儀の展開図を作成しています。

1500年代後半には、オスマントルコがイスタンブールに築いた天文台などでも地球儀が製作されるようになりました。

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地球儀の製作方法

時代とともに地球儀の作り方も変化してきました。
現代のようにコンピューターを用いた精密な技術がなかった時代からもっとも一般的であったのは、紙の地図を細長い三角形の形に展開したゴアと呼ばれるパーツを球体に貼り合わせていく方法です。平面の地図をこの形で切断したものを貼り合わせることで、簡単に球体の地球儀を作ることができます。

 

世界最大の地球儀

地球儀が誕生してから500年が経ち、現在では様々な地球儀が開発されています。その中で、現在世界で最大の回転する地球儀は、アメリカ最東北部に位置するメイン州のヤーマスという町にあります。衛星技術企業であるデロルム社の本社内に置かれた「Earth」という地球儀で、なんと約2500kg、直径12.53mという超巨大サイズです。この地球儀は世界最大のものとして1999年にギネスブックにも登録されています。営業時間内は一般にも公開されているそうで、実際に目の前で見るとその大きさに圧倒されそうです。

 

「国際政治学」と「国際関係論」はどう違う?

テレビのニュースや新聞を見ていると、海外でのテロや紛争、難民の問題から国際会議や各国の選挙の話題まで、世界中の様々な出来事が毎日報道されています。

そんな世界の動きをより専門的に学ぶことできるのが、全国の大学にある「国際政治」や「国際関係」と名のつく学部や学科・コースなどです。

では、学問としての「国際政治学」と「国際関係論」はどのように違うのでしょうか?

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【動物の話】ハイエナは実は・・・

ハイエナと言うと、アニメなどで描かれるイメージからライオンなどの獲物を横取りする悪者の印象が強い人も多いと思います。

どこか悪者っぽい顔つきで死肉をあさっている姿がテレビで映し出されることも多い悪役イメージの動物ですが、今回はそんなハイエナに関するお話です。

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ビジネススクールでMBAを取るとは?

会社経営者や起業を目指す人に限らず、ビジネススクールMBAという言葉を耳にしたり関心を持ったことがある人も多いと思います。

では、ビジネススクールとは具体的に何をするところで、ビジネススクールMBAを取るとはどのようなことなのでしょうか?

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